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フラウト・トラヴェルソ [演奏会]

フラウト・トラヴェルソってご存知ですか?

って、私のコンサート情報には良く登場する楽器ですけれど。
横吹きのフルートという意味の楽器で、現在の金属でできたフルートの昔の形で、呼び名です。[晴れ]

なぜ、わざわざ「横吹き」というかと言いますと、最初フルートとは息を入れて音を出す長い管上の楽器は全部フルートと言っていて、縦笛のことを指していたんです。今で言うリコーダーのことです。

これと区別するために「横吹きのフルート=フラウト・トラヴェルソ」と呼ぶようになり、それが、短くなってフラウト=フルートとなったわけです。当時は木で作られ、ただの穴が6個あいているだけでした。それが、バロック時代に入ると、フランスの制作家が中を円錐状に削るという技術と、さらにもう一つ穴をあけ、そこにキーをつけあけたり閉めたりできるようにすることによって、音程の安定した楽器を作りだすことになりました。
            トラヴェルソ2.gif

そのような楽器のためには、多くのすばらしい楽曲が作られるようにもなり、バロック時代のフランスはフラウト・トラヴェルソの名曲が多く残されています。この楽器はアルプスを越えて、イタリアに入り、リコーダーにはない、曇った、ニュアンスの多く出しやすいこの楽器のために後期のバロックそして、その後のロココ時代には作曲家は、やはりすばらしい楽曲を残すようになりました。

古典派に入ると、さらに色彩豊かな、ヴィルテォーゾな音を出すためにも、多くのキーが付け加えられ、現代に近づくと、金属製になってきて、今のような、管の上をすっぽりと多くのキーとそれを動かす装置で埋め尽くされた「フルート」に変身してきました。

         現在のフルート.jpg


そうする事によって、様々な音程に対応ができる様になった反面、不自由な中で作り出す、音色の違い、音程の不ぞろいさ、出しやすい音とそうでない音との正確の違い・・・など、自然な音色が失われたともいえます。
そのような、不自由ながら、味のある「フラウト・トラヴェルソ」の隠れた名曲を、フィンランドの奏者:ヤリ・プファッカ氏と一緒に演奏するコンサートを行う予定です。

場所は池袋と秋田。

曲目はイタリア限定です。チェンバロソロもその中に入れました。普段演奏される機会の少ない「ツィポーリ」の作品。後期のイタリア鍵盤作品は一人を除いては、あまり独創的ではありませんが、愛すべき小曲はごろごろと残されています。その中から選んでみました。

上で触れた「一人を除いては・・・」のひとりは、誰でしょうか?





D.スカルラッティです[ぴかぴか(新しい)]

そこら辺はおいておいて、以下、コンサートの詳細を載せておきます。興味をお持ちの方、どうぞお足を運んでくださいませ。

   ◆ヤリ・ブファッカ&加久間朋子デュオVol.2 イタリアバロックとロココの魅力
~フラウト・トラヴェルソとチェンバロの名曲集を集めて~
主催 古楽研究会 Origo et Practica

※東京/中丸町コンサート その10
【日時】 5月16日(金)7:00p.m.~
【会場】 古楽研究会SpacelF (東京都板橋区中丸町10-1古楽研究会ビル)
【プログラム】
G.サンマルティーニ フルートと通奏低音のためのソナタ 作品2-10 イ短調
R.ヴァレンティーニ フルートと通奏低音のためのソナタ12-5 作品ホ短調
G.A.パガネッリ フルートとバスのためのソナタ 第4番 ト長調
P.ロカテッリ フルートと通奏低音のためのソナタ作品2-7 イ長調
G.サルティ チェンバロとフルートによるソナタ 第2番 ト長調 
D.ツィポーリ チェンバロのための組曲 第2番卜短調

【出演者】
チェンバロ 加久間朋子(古楽研究会・代表)
フラウト・トラヴェヴェルソ ヤリ・プファッカ

<ヤリ・プファッカ プロフィール>
 フィンランドのフラウトトラヴェルソおよびリコーダー奏者。
 シベリウス・アカデミー、オランダのユトレヒト音発院で学ぶ。
「シックス・フロア・アンサンプル」「シベリウス・アカデミー・バロック・アンサンブル」等のメンバー。現在シペリウス・アカデミーなど、フィンランドの音楽院で講師を務める。02年、桐朋学園大学にてレクチヤー、01年からほぼ毎年来日し、古楽研究会にてレッスン、レタチヤーやコンサートを行っている。

【入場料】 3,000円 当日3,500円
【予約・問い合わせ】
古楽研究会03-3530-6224 mail:origoetp@rk2.so-net.ne.jp
想楽舎03-3530-7280 mail:sougakus@rk2.so-net.ne.jp

※秋田コンサート、
【日時】 5月18日(日)1.30p.m.~
【会場】 アトリオン4Fミニコンサートホール(秋田市中通2-3-8)
 電話018-836-7803
【入場料】 2,500円 当日3,000円
【予約・問い合わせ】 080-3146-8577(高山PTC)090-2992・-9694畠山(PTC)
チケット取扱店ヤマハ秋田店、カワイ楽器ほか

ヤリさんチラシ.jpg   http://www.sougakusha.com/tokusyu/index.html
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コメント 5

めぎ

ほんと、リコーダーと雰囲気似てますね。
しかし、今のフルートになるには、ずいぶん変身しましたねえ。
by めぎ (2008-04-29 02:48) 

スザンナ

こんばんは。
う~ん、池袋行きた~い ですが、このあたり、出かける予定が詰まっていてどうかしら? 
こういうシンプルな楽器の音色、好きなんですよぉ♪
by スザンナ (2008-04-30 21:23) 

ネコタマメイ

めぎさん
大体の楽器はバロック時代に急激に改良されて、器楽作品が多く生み出されたんですが、その後、どんどん大きな音、よい音程をめざして、部品が増えていったんです。比べると面白いです。
by ネコタマメイ (2008-05-01 08:47) 

ネコタマメイ

スザンナさん
夜ですしね~ 予定があったらまたお出かけくださいませ!
by ネコタマメイ (2008-05-01 08:48) 

ネコタマメイ

nackさん
ナイスありがとうございます。
by ネコタマメイ (2008-05-02 22:07) 

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