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重要な人物 [音楽史]

ちょっと健康に問題があってアップ遅くなりました。

問題って・・・この年になって喘息がでました。
今年はすぎ花粉によるアレルギーがひどく、アレルギーの薬に依存することが多かったのですが、その薬も無くなった頃、夜中に咳き込むことが増え、そのうちに、咳のために寝られなくなりました。

ヒューヒューゼロゼロという娘がよくだしていた音が気管支でなり、まったく寝れない。

で、困って医者に行くと、医者も「う~ん」という感じ。
喘息の薬をもらい飲んで数日、やっと良くなってきました。寝れない、咳き込むということが体力を奪っていきますね。よく寝たとたん、元気になりました。

今日は、もうすぐ来日するイタリア、ナポリのチェンバロ奏者、エンリコ・バイアーノ氏にちなんで、ナポリの16-7世紀の事情を。

ナポリはこの当時ナポリ王国から、フランス・スペインの争いに巻き込まれ、スペインの属国となりました。
その結果、多様な人種、貴族、宗教が流れ込んだ為、多くの寺院、教会が連立したのです。

そんな中、音楽が独自の個性をもって発展したのもこの時代です。

根っからの音楽好きということもあるでしょうが、これを発展させる場所が確保されていた事も理由のひとつでしょう。その場所は、王室礼拝堂とアンヌンツィアータ教会でした。

さらに、音楽好きの重要な人物として、サレルノ公フェッランテ・サンセヴェリーノそして、一番名高いヴェノーザ公カルロ・ジェズアルドが挙げられます。

     ジェズアルド

彼は、ナポリ音楽を語る上で、必ず登場します。
自らも作曲をし、その個性豊か・・・変わっている・・・作品もCDできくことが出来ますし、音楽辞典をみれば、功績も分ります。

でも、犯罪史上、今も、ナポリで語られている人物でもあるそうです。

不貞を働いた妻と、その愛人を惨殺し、さらに、次男(赤子)の目の色を見て猜疑心にとらわれ、命を奪ったという。貴族ゆえに罰せられることも無かったようですが、晩年は孤独からか、躁うつ病に悩まされながら、この世を去ったそうです。

音楽だけに目を向けていると、彼のような重要な人物は、きっと崇高な人間であったかのように思いがちです。が、感情の部分を知ると、人間臭さが匂ってきて、時には、安心したり、身近に感じたりしますが、この人の場合は、恐ろしさを感じますね。

そうすると、彼の残した、半音階の使用は、不気味さとともに、人間の悲しさや生生しさが、現実味をおびて、こちらに語りかけてきたりするのです。


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ペンだこ [演奏会]

私は某アンサンブル・ユニットに入って活動もしている。
このグループは5人で活動しているのだが、チェンバロ以外に、ハープ、笛(フルート、リコーダーなど)、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、ヴィオラ・ダ・ガンバ、コントラバスを使用して演奏する。

人数と楽器の数があいませんね。

そうです、一人が複数の楽器を演奏するのです。

こんな、変則的なアンサンブルになったのも、訳があります。
それを説明すると長くなるのでしませんが。

早い話が、楽曲に合わせて、持ち替えるんです。で、そのやり方で様々な表現を可能にするために、メンバーの一人が編曲をするのですが、このグループも活動を始めて早25年以上たつので、編曲の腕前もすごいものとなってきている。

で、次回の演目もほぼ決まり、練習日も決まり、編曲の終了したものから、送られてくるのだが、手にしてからが大変。
  こんなのです

自分用の楽譜を、つまりパート譜を作成するのだ。

楽譜が譜めくりしやすいよう考えながら書いていく。これをすると、一年に一回、大きなペンだこが出来る。

昔、良く出来たこのペンだこが、この年になっても出来るとは思わなかったし、一年に一回、ちゃんと再生させているので、このペンだこはまだまだ私の演奏活動中はついて回るのだろう。

パソコンでやったら~と言われますが、それを習得するのは私には難しい。さらに、楽器を持ち替える事からくる、変則的な楽譜つくりには対応できないだろう。

事実、バロック時代の数字つき低音を入力するのも大変。

今日もこれから、手書きの楽譜書き・・・中指の先が・・・痛い。

この楽譜が実際の音楽となるのは来年のはじめ、また、お知らせしましょう。


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調律 [楽譜]

チェンバロは、かなり弦の張力が弱い為、良く狂う。
また、楽器全体が主に木でできているために、湿気や温度によって、かなり影響を受ける。

その為、チェンバロ奏者は、こまめに自分で調律や調整を行うことになる。

一回のコンサートではリハーサルを入れて、少なくとも3回の調律をする。
一人での練習時には時間と狂いを天秤に賭け、我慢できるなら前日のまま練習をすることもあるが、生徒さんがいらした時は、そういうわけにもいかず調律する。また、他の楽器とのアンサンブル練習では、休憩の度にチェックをするようになっている。

こう考えるとチェンバロを始めて25年以上、私はこの調律という物をどのくらいの数やったんだろう…とふと思う。

そして、この調律というものには様々な考え方があり、一筋縄ではいかないものである。

ピアノという楽器が生まれ、調による違いや、調そのものもそれ程、こだわらなくなってきた19世紀20世紀では、平均律というやり方が一般的だ。これは12個の音を均等に割り振ったもの。という事は均等ではない調律法がその前にはたくさん存在していたのである。

ドーソという5度という音程が、一番美しいのは純正、つまりうねりがまったく聞こえない状態の時です。

しかし、平均律の5度はその純正の響きから2セント(対数)狭くした音程となっている。この2セントずつ12の音をせまくして、出来上がった調律法は実際の美しい5度の音程で作った12の音との差は2×12で24セントというずれがある事になる。しかし、オクターブで考えるとこの24セント多いのはだめなのだ。その為この24セントをどこの音から減らしていくか、が様々な音律(調律法)を生んだ原因になった、困った数値、興味深い数値であるわけだ。

調律法は時計のように12の印のついたサークルで、説明されたり、表されたりする。

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すじ [練習]

最近、急に練習をすると、手とそのついている腕が、疲れたような、だるいような、痛いような感覚になることが増えた。昔はまったくそのようなことはなかったのだが、今年に入ってから顕著になる。

これは年かも知れない。

準備運動、簡単な音階練習、分散和音練習をすれば大丈夫だから、スポーツする前の準備体操がやはり必要なのだろう。無理の利かない体になったともいえる。

筋肉疲労にはクエン酸、全体の疲労(特に脳を含む)にはアミノ酸、そして疲労回復には大豆ペクチンが良いことは、娘がスポーツをやっているので、教えてもらった。

たしかに、そのサプリメントを飲むと軽くなる気はする・・・。

などと、考えをめぐらしていた時、巨匠、そして私をチェンバロの道に導いたG.レオンハルトの演奏会があった。昨年の来日前には体調を崩して、惜しくも来日がキャンセルになった氏の演奏に、2回出かけ(それにしても高額なコンサートだが)、氏の姿勢がすばらしく良いのに、今更ながら驚いた。
歩く姿、座った姿、演奏する姿、どれも、背筋がぴんとのび、それでいて、過度な緊張がどの部分にも掛かっていないのである。

79歳の氏は、腕が痛いなんて事にはならないのかもしれない。
私もサプリメントに頼らず、姿勢を気にしてみようと思った。

私の好きなレオンハルトのCDは数枚あるが、これはそのひとつ。

デュフリ/フォルクレ:クラヴサン曲集

デュフリ/フォルクレ:クラヴサン曲集

  • アーティスト: レオンハルト(グスタフ), デュフリ
  • 出版社/メーカー: ソニーミュージックエンタテインメント
  • 発売日: 1999/09/22
  • メディア: CD


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